【種子構造】
すべての種子は死細胞の「種皮」に保護されていますが、例えばイネ(コメ)のように種皮の外側に果皮が融合する植物もあります。(穎果、えいか と言います。)
種皮の内側には
『胚(はい)』
『子葉(しよう)』があり
これに、胚乳(はいにゅう)をもつ植物を『有胚乳種子』
もたない植物を『無胚乳種子』と呼びます。
有胚乳種子の植物にはイネやコムギなどの穀物が多く含まれ
無胚乳種子にはダイズ、キュウリなどが挙げられます。
イネでは胚乳の最外層に『湖粉層(こふんそう)』と呼ばれるタンパク質貯蔵組織
胚乳と湖粉層の間に『亜湖粉層』と呼ばれる食味に関係するタンパク質貯蔵組織があります。
胚は一般に『幼根』、『幼芽』、『胚軸』、『シュート頂』からなり
イネ科では子葉は胚乳と接する胚盤へ進化し、基部に『幼葉鞘(ようようしょう)』を持ちます。
種子は胚が成熟する間の防御壁、芽生えの栄養源として機能し、休眠を獲得した場合は遠くへ散布されたり季節に応じた発芽に役立ちます。
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種子が成熟し始めると次第に水分を失い「静止状態」に入り、乾燥種子が水分を吸収すると胚の成長が再開されます。
胚芽に必要なのは
①『水』はもちろんのこと
②代謝に最適な『温度』
③ミトコンドリア呼吸に必要な『酸素』の3つで、
多くの場合、これに『光』が加わります。
ただし、栽培植物では選抜・固定によって光を必要としない種が多いので
水・温度・酸素の3つを覚えると良いでしょう。
さらに、「発芽の均一性」を目指すのであれば『種まきの深さ(播種深度)』が重要な指標となります。
種まきの深さが揃っていなければ、どんなに水と温度と酸素が均一でも出芽がバラつくのは当然ですね。