植物にとって種子とは

水の中で生活する植物(藻類)が陸上に進出したのは4億5千万年前と推測されています。

 

陸上への進出当初は『コケ植物』が水辺に生息し、3億6千万年前に『シダ植物』、3億年前に『裸子植物』が登場、現在繁栄している『被子植物』は1億8千万年前とされます。

 

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コケ植物とシダ植物が「胞子」で増えるのに対し、裸子植物と被子植物は「種子」で増えるため『種子植物』と分類されます。

 

被子植物は、胚珠が子房に包まれ、

胚珠は種子を、子房は果実を指します。

 

対して裸子植物は胚珠が子房に包まれていません。

 

胚珠が子房に包まれているか、いないかは、大切な種子が保護されているかどうか。と言うことですから植物にとって重要なことになります。

 

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果実は外側に強固な「細胞壁」をもって内部を保護し、果実自体を甘くし、良い香りを出して動物に食べられるようにして、果実を食べた動物は、動き回って種子を様々な場所に散布します。

 

水中(藻類)では光合成に必要な光、二酸化炭素は潤沢に得られますが

陸上に進出する植物にとって克服すべき課題は、いかにしてこれらを「同時に獲得するか」でした。

 

水のある土の中に光はなく

光のある地上に水はありません。

 

この相反する課題に対応するため、

植物は土壌に根を張り、輸送組織である維管束を発達させ、地上で光合成を行います。

 

成長に必要なエネルギーと栄養が容易に手に入るようになった植物の特徴は『独立栄養』と『固着』になります。

 

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植物は動きませんが、移動する手段が2つあり、『花粉』と『種子』です。

 

花粉は虫や風を媒介にして違う個体に飛び、

種子は動物に食べられることによって様々な場所に移動します。

 

ところで、

種子は いったん発芽のスイッチが入ると後戻りができない「不可逆性」を持ちます。

このため、発芽すること自体が植物にとって「冒険」であり、様々な制御を受けることになります。