2~3月は税申告時期です。
それにちなんで、少し経営の話しをしたいと思います。
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各地にある農政事務所では、農業に関する様々な統計をしており、その中に「生産費調査」があります。
農家が普段目にする数字は
収入 - 経費 = 農業所得(実際に入っていくるお金)
生産費調査の特徴は
①家族労働費
②自作地地代
③自己資本利子
自分の財布から出て行かない「疑似支出」を経費に算入するところにあります。
家族労働費は毎月勤労統計の「製造業」などの単価を家族労働時間に掛け、
自作地地代は、地域の10a賃借料を所有面積に掛け、
自己資本利子は総資本から借入資本を引いた額に4%を掛けます。
これらを含んだものを「資本利子・地代全額算入生産費」といい、
農産物の適正価格の指標して活用されています。
全算入生産費を数量で割れば、数量当たりの生産費、
農業所得から自己資本利子、自作地地代を引けば家族労働報酬が分かります。
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少し難しい話しになってしまいましたが
「農産物の適正価格とは何か?」
「農業経営のポイントは何か?」
ということです。
農産物の適正価格とは、家族労働費を含む全算入生産費であり、
農業経営のポイントは、労働生産性の向上にあります。
しかし、個人経営においては家族労働費が意識されていないことが多く、
自分の時給を下げながら生活費を賄っていることが多いのです(私もそうですが 笑)
労働時間を把握していますか?
全算入生産費を意識していますか?
農産物の適正価格を知っていますか?
農産物価格の低迷が言われて久しく、恒常的に全算入生産費を下回っています。
高度に確立された市場流通の価格形成に農家が介入できる余地はありませんが、
せめて自分が愛情を込めて栽培した農産物の適正価格くらいは把握しておきたいものです。