自然農の壁 ~農業の大規模化~

シリーズ「自然農の壁」

今回は農業の構造的な問題から考えてみましょう。

 

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突然ですが、私の所有農地は8000㎡です(80a、0.8ヘクタール)。ただ、納屋や農道、ハウス間の通路もあるので実際の作付は50~60aと言ったところでしょうか。

 

実は、この面積、販売農家の中では極めて小さい方で、北海道の平均は20ヘクタール超え!!

全国平均でも2ヘクタールはあります。

 

私の感覚ですが、自然農法で様々な野菜を栽培するのは1人当たり30~40アールくらいが限界でしょう。

おそらく、これ以上面積を増やすと除草や作物管理が行き届かずに収穫量が落ちていくでしょうね(笑)

 

どうやら、既存農家が自然農に取り組むには経営面積が大きすぎるようです。

 

戦後から現在まで一貫して続いてきた「農業の大規模化」

 

肥料・農薬・除草剤。

機械化に大規模化に区画整理。

 

手間ひまかかる部分を「化学」と「科学」に置き換え、農村の若い人は都市部へ就職。

日本の発展には欠かせなかったのでしょうが、それとともに無くなってしまった「自然農」。

 

私は同じ農家の一員として、一般栽培にも敬意を持っています。

大規模一般栽培には、耕作放棄地を食い止め、日本の農地を守り、その多面的機能と自給率を維持していく使命と役割があるのでしょう。

 

でも、それでは、誰が自然農、有機農業を担うのか?

それは私たちのような小規模農家です。

 

『自然農が当たり前になる』

そんな社会の実現には、小規模経営体の増加が欠かせないのではないでしょうか。