前回までの話しをさらに続けましょう。
苗を畑に植え替えしたあと、土にガッシリ根付くことを「活着(かっちゃく)」と言います。
植物は話しませんから、痛いとも何とも言いませんので私たちには分かりづらいのですが、植物にとって「植え替えられる」という行為は、私たちに例えて言うなら大きな手術を受けたような「衝撃」があります。
植え替えられたあと、どれだけスムーズに活着できるかは、その土の化学性、物理性、生物性などの土壌状態、地温・気温などの気象要因によっても左右されますが、肥料をふんだんに与えられて育った大きな苗は「活着しづらい」という特徴があります。
それはあたかも、ぬくぬくと育った子供がいざ社会に出ると環境変化に耐えられない。といった様子に似ています。
一方、肥料切れした苗というのは言わば「飢えた」状態でハングリー精神にあふれ、早く大きな畑に移り、根を伸ばし養水分を吸いたがっています。
ですから、肥料不足の苗は畑に根付くのが早くなります。
迅速に根を張り、どんどんと根を増やしていきます。
根の多い植物はどうなるでしょうか?答えは簡単です。
しっかりと張った根は旺盛に養水分を吸えますし
地上部をガッチリと支える土台にもなるのです。