『雑草という名の草はない』
言わずと知れた名言です。
知能の発達した人間は物事を分類するのが好きなようで
生物は「ドメイン・界・門・網・目・科・属・種」に階層分けしています。
まぁ、難しい話しは置いといて
雑草と言う名の草はありませんし、「ナス科」や「アブラナ科」のように「雑草科」があるわけでもありません。
例えば「ゴボウ」は日本では野菜ですが、海外ではあまり食べません。
食文化の違いによって植物の見方は変わりますし、
畑に野良生えしたトマトを邪魔だと思えば雑草になり、
もったいないと育てれば作物になります。
雑草と言っても、環境保全からみれば「益草」にもなるし、
使い方によっては「薬草」になる場合もあります。
八百万の神がいる日本では「神草」として崇めていたかもしれません。
しかし、そうは言っても何かと定義したいのが人間で
1966年にkingさんという人が雑草の基本特性をまとめています。
①望まれない場所に生育
②競争的で攻撃的な習性
③野性的で強大な生育
④除草に対して耐性と残存機能を持つ
⑤しばしば大きな集団を形成
⑥役に立たず嫌われる
⑦人や家畜、作物に害をなす
⑧播種や栽培の助けがなくても育つ
⑨高い繁殖効率をもつ
⑩景観としてみたとき異常である
これは50年以上前に人間側から雑草を見たものですが、何ともひどい言われようで
農耕の歴史がいかに雑草との戦いだったかが窺えます。
しかし、時代とともに定義は変化していくもの。
社会情勢、環境保全、食文化、農業技術。
人間歩みとともに「雑草」の定義がどのように変わっていくのか
皆さんと一緒に見つめ続けたいものです。