シリーズ「自然農の壁」
今回は「日本人は目で食べる」と言われる通り、見た目の美しさを重視する消費の側面から考えてみましょう。
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整然と陳列されたスーパーの野菜。
手前から取っても、奥から取っても まるで金太郎飴のようです。
曲がりのないキュウリ
傷ひとつ無いナスビ
ピカピカなトマト
洗練された大根、人参
穴のない葉物
大きさの同じ箱詰めされたジャガイモ
贈答品に出来るかのような見た目の美しい野菜が並べられています。
傷や虫食いのないもの。
形が揃い整ったもの。 を選ぶのは
家庭での保存や調理のしやすさを考えると、たしかに合理的な選択ですが
その一方で規格外になったものは、なかなか売れにくいもので
特に無農薬・無肥料の自然農法だと
長さや大きさ、形がバラツキ
穴の開いた葉物、肌の悪い大根など
病害虫被害が多くなりやすく、その販売に苦慮する時があります。
規格外品も少量なら何とか出来ますが、量が増えると出荷をあきらめ畑に廃棄することもあります。
自然農法の難しさは収穫量とともに「品質」が安定しないところにあるのです。
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『きれい好きな日本人』
世界に誇れる民族性とは思いますが、品質のばらつく自然農野菜にはなかなか難しいところもあるのです。
しかしながら、自然農野菜を求めているお客様は確実に増えています。
今後も
「見た目よりも安心が一番!」と言ってくださるお客様が少しずつ増えるよう願いつつ、私は生産者として栽培の腕を磨きたいと思います。