自然農の壁 ~流通~

シリーズ「自然農の壁」

今回は流通経費(運賃)の側面から考えてみたいのですが、まずは「生鮮野菜」の流通における特性をまとめてみましょう。

 

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(一般的に)流通から見る生鮮野菜とは

①日持ちがしない

②多数生産者から多数消費者へ移る

2大特性があり、さらに「均一な品を安定供給すること」が求められるため、スーパーに並ぶ野菜は多数生産者が産地ごとに生産組合で結集し出荷規格を定め対応しています。

 

また、生産者と消費者の仲立ちをしているのが「農協」、「卸売市場」となり『系統出荷』あるいは『市場流通』と言っています。

 

JA全農(全国農業協同組合連合会)を頂点とした農協の組織だった『系統出荷体制』と、卸売市場を起点とした『市場流通体制』は高度に確立されており、大ロットの利点を生かし、輸送費(運賃)も安価なものとなっています。

 

一方、有機野菜、自然農野菜は生産者が点在、多品目栽培のため大ロット化が難しく、自然食品店との契約販売やマルシェ、ネット販売などが主体となります。

 

つまり、農協を経由した「大ロット市場流通」に比べて運賃が高くなり、輸送の側面から見ても値段が割高になってしまいます。

 

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今後、自然農法が増えていくのは間違いないと思いますが全国津々浦々に行き渡るためには流通の問題も考えていかなければならないでしょう。