『自然農の壁』、栽培編の2つめは『安定性の欠如』です。
<2.安定性の欠如>
何の安定性か。
収量・品質です。
いつの安定性か。
短期的・長期的です。
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自然農法を損益分岐に乗せるには高度な栽培技術が必要です。
肥料、農薬を使用する一般栽培ですら冷害や干害、病害虫により収穫量は年次変動します。
そのために「農業共済制度」があるのですが、ほぼ丸腰で自然と対峙する自然農法が不安定であることは容易に想像できるかと思います。
多くの方は多品目栽培をしリスク分散を図りますが、たとえ年間に1品目でも収穫皆無となれば経営は不安定となります(短期的リスク)
また、気象条件・病害虫発生は年次により変わるため長期的な計画樹立を困難にします(長期的リスク)
事業とは何年も続ける「連続性」のあるものです。
自然農法の安定性欠如は、経営の意思決定を阻害する要因になっているのです。
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(参考までに「農業共済制度」)※制度の詳細は共済組合にお尋ねください。
農業は自然災害により収穫が減少するリスクがあり、所定の掛金を納めれば保証してくれる「農業共済」制度があり、水稲、小麦、畑作(大豆など)、果樹、幅広い品目に加えて、農業用施設(ビニールハウスなど)の損壊も対象になっています。
農業共済は収穫量が減少した場合の補償ですが、平成31年に「農業者経営収入保険」が創設され
収穫量の減少だけでなく
・相場の下落
・農業者の事故
など、幅広いリスクを補償してくれるようになっています。
農業者経営収入保険の基準収入は過去5カ年の平均(5中5、青色申告)となっており、規模拡大した場合や収入が上昇傾向にある場合
規模拡大特例、
収入上昇傾向特例によって
基準収入を補正してもらえる場合があるそうです。
(共済制度の詳細は複雑なので、興味のある方は農業共済組合へ問い合わせされることをオススメします。)