前回まで様々な角度から自然農普及の障害となるものを自分なりに考察してきました。深堀りすれば、まだまだ『壁』はあるのかもしれませんが、一旦区切りをつけましょう。
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近年、食・農業に対する関心が高まっています。
私も農業関係の仕事をして25年近くになりますが、食の安全・安心、農業と環境問題に対する期待が高まり自然農法の認知度が高まったことはないと思います。
・食の安全に気を使う料理愛好家や飲食店の方
・添加物の怖さを教えてくれる方
・学校給食、食育など子供の健康を考えている方
・環境問題、農村問題、食品ロスなど社会問題に取り組む方
人間が食べ物によって命と健康を繋いでいる以上、『食の安全』への探求は終わることはないでしょう。
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シリーズ『自然農の壁』を通じて無肥料栽培、無農薬栽培の前に立ちはだかる障害を自分なりに伝えようと思いました。
敢然と強固な壁に思われた方もいたかもしれません。
しかし荒唐無稽と言われながら、専業農家として自然農法に取り組む私から見た この「壁」は
案外に脆く、また、飛び越えられそうに見えるのです。
いえ、もっと言うと取っ手を付ければ『扉』に出来るかもしれません。
誰でも自由に出入りできる『自然農の扉』です。
いつでも取り組めるし、いつでも食べられる。
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しかし、自然農の『壁』に取っ手を付け『扉』にするのは、農家だけでは無理なようです。
自然食に理解あるお客様。
自然食を愛する家庭菜園愛好家、料理愛好家の皆さん。
食育に取り組まれている皆さん。
行政・流通・加工に携わる皆さん。
栽培研究をしている専門家の皆さん。
日本農業・農村を愛する皆さん。
皆さんの力を合わせましょう。
そして...
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『扉』を開けた先には、どのような未来が待っているでしょうか。
シリーズ『自然農の壁』 完
次回から、第2部として「自然農の壁~栽培編~」を書いてみようと思います。