私が栽培上、特に気を付けているのが「若い苗を植える」ことです。
自然農法では肥料はおろか堆肥も使いませんので、野菜が力強く生長するための養分・水分を潤沢に供給できるように「根をいかに伸ばすか」が大事です。
育苗にはセルトレイやポット鉢など形態は様々ですが、どのような方法でも土の量は限られますから、根というのは直ぐに行き場を失ってグルグル巻きになります。
そして行き場の狭くなった根は活力が低下し、いわゆる「老化苗」となって、畑に植え替えた後に活力を取り戻すまでの生育が遅れてしまいます。
このとき、化学肥料を使う一般栽培であれば近くに養分があるので成長への影響は少ないのですが、無肥料ではそうもいきません。
トレイやポットの中で根がグルグル巻きになる前の若い苗を植え替えるのはこのような弊害を取り除く効果があるのです。
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ただし、若苗を植えることにはひとつ問題があります。
それは「育苗期間が短くなる」ことです。
そのため、トレイやポットへの種まきから、畑への植え替え時期には余裕を持たせたスケジュール管理が必要になるのです。