発芽過程と水分

種子の水分吸収は土壌と種子の水ポテンシャル勾配によって駆動され、種子の発芽は水分の吸収によって始まりⅠ~Ⅲ期に大別されます。

 

Ⅰ期では、種子が水分を吸収し、乾燥の過程で壊れたミトコンドリアやDNA、mRNAの修復・再合成が行われ細胞呼吸が始まり、発芽に必要なタンパク質が作られます。

 

Ⅱ期ではⅠ期の反応が継続するとともに貯蔵物質の分解が始まります。水分の吸収は減少し幼根が露出します。よって厳密に言えば発芽はⅡ期で終了します。

 

Ⅲ期は芽生えの成長に伴い、水の取り込みが再開し、貯蔵物質の利用が活発になります。

 

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いま、種子が発芽する過程を書きましたが、実際の現場で注意すべきはⅡ期です。

つまり、種子は水の取り込みが減少する時期があるため、この時期に土壌水分量が多いと酸素不足になり上手く発芽しません。

 

園芸本には「芽が出るまで土を乾かさない」と書かれていますが、

土を乾かさないとは、土を濡らし続けると同義ではない。ということに注意が必要でしょう。

 

もっと簡単に言うと

土をベチャベチャになるほど水をやるな!ということです。

 

水をやり過ぎると土壌(種子)が酸欠になりますし。

夜に光がなくなると、水は冷えますから地温も下げてしまうのです。