有機農業が目指すもの。
2006年に制定された「有機農業推進法」
法の基本理念を読むと、有機が目指す社会が見えてきます。
推進法の基本理念は4つあります。(原文が長いので以下抜粋・要約します)
①有機農業の推進は
・農業の持続的発展
・環境との調和
・自然循環機能の増進
・環境負荷の低減
に貢献するため、農業者が容易に取り組めるようにすること。
②消費者の食料に対する需要が高度化・多様化し、安全で良質な農産物の需要が増えているため、「消費者が容易に入手できるようにすること。
③有機農業者・関係者・消費者の「連携を促進すること」
④農業者・関係者の自主性を尊重すること
・・・・。
制定前に指摘されたのは、農家と諸費者の『距離』です。
高度成長期以降、工業立国として日本が発展するなか消費地と生産地は徐々に離れ、産消交流もなくなり、物理的な距離と同様に「心の距離」も離れていきました。
生産者は、大規模化・近代化を進め、肥料・農薬・除草剤による画一的な農業によって所得向上を求める。
消費者は、より安価で均一な農産物を求める。
仲立ちをしている流通は、安定供給、物流効率化を求め、利潤を求める。
三者三様の経済行動は生産者と消費者の距離を、遠く遠く離れさせ
農産物を介して農家と消費者は繋がっているようで
実は、
経済(お金)という大きな力によって分断されていきました。
推進法の基本理念③にある
「農業者・関係者・消費者の連携を促進する」は
この分断が生んだ歪みを解消したいという願いが込められています。