有機物が畑に有益なのは論を待ちませんが、
その有機物を畑にある収穫残さ物や雑草に任せるのが「自然農法」となるのでしょうか。
大面積では堆肥投入が難しいため、緑肥作物を作付する場合もあります。
たまに「一般栽培では化学肥料に頼り切って、有機物を使っていないのではないか」という方もいますが、有機物補給に関して言えば、一般栽培の方も真剣に取り組まれていることが多いです。
化学肥料・農薬・除草剤、高収量指標がいかに地力を消耗させ、微生物活性を阻害するかを知っているからです。
・・・・。
(前回、書ききれなかったことを補足します)
さて、土壌有機物は大部分が枯れ草や収穫残さ物など、植物組織に由来します。
植物組織の大部分は「水」と「炭素」ですが、少量のチッ素、リン、カリウム、カルシウム、マグネシウムなどを含んでいますので、植物の成長に必要な養分が既に備わっていることになります。(自己施肥機能)
また、低または不耕起、被覆作物(雑草、緑肥など)、輪作・混植(多品目栽培)を行う自然農法は
①作物残さや根を含む表層の有機物を維持し
②土壌粒団の形成、大孔隙の増加を促し
③透排水性を改善し
④微生物を活性化させる
土づくりの3要素から見ても有効な方法であり、
無肥料でもなぜ育つのか?
という問いに対する
解の1つであると思います。